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絶版希少本鐔小道具鑑定入門

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正阿弥派

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秋田正阿弥

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肥前鐔　肥後鐔

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絶版希少本鐔・小道具鑑定入門図録本写真解説真贋鑑定鐔鍔目貫笄刀装具金工花押印銘刻銘透し鐔　

若山泡沫/若山猛・飯田一雄　著

光芸出版

1971年初版

232ページ

約21.5ｘ15.5ｘ2.3cm

カバー付き　布張り上製本

モノクロ

※絶版

刀剣界の重鎮、若山泡沫（若山猛）と飯田一雄両者が、永年の研鑚を積みつづけた刀剣の鐔・小道具について、その鑑定入門、鑑定賞美のために便利で有効な一書としてその知識をまとめたもの。

一般の愛好家が定石を身につけて鑑定が出来るようになり、より高い鑑賞態度を持つことを目指し、多数の写真とわかりやすい解説をほどこし、巻末には刀剣の「入札鑑定」の形式を模して、小柄、鐔の作風、金工名工の刻銘、切銘、銘文、花押、雅号などの写真を利用した誌上鑑定入札、クイズ形式の当て鑑定問題を48問収録した珍しい本。

鐔・小道具に関する適切な解説、購入に際して必要な刀装小道具鑑定の指導書として、愛好家必携の大変貴重な資料本です。

【著者について】観光当時の情報です

飯田一雄（いいだ・かずお）

昭和９年８月東京に生まれる。

刀剣界の専門紙“刀剣春秋新聞”を創刊し、その主筆となる。今年で10周年を迎え、日本刀・鐔・小道具の鑑定と出版に活躍している。著書に『百剣百話』『わが郷土刀』『日本刀・鐔・小道具価格事典』『日本刀の鑑定入門』などがある。

若山猛（わかやま・たけし）若山泡沫

大正14年３月生まれ。泡沫（ほうまつ）と号す。刀装小道具の分野を専門とし、研究のかたわら『金工事典』『刀装金工銘集録』『趣味の目貫』など多くを上刊。現在、財団法人日本美術刀剣保存協会の重要小道具専門審議員ならびに貴重小道具審査員、日本刀剣保存会の優秀小道具審査員として活躍。東京鉄筋コンクリート株式会社社長として建設業に従事し、今日に至る。

【目次】

鐔・小道具の鑑定とは―序文にかえて　

第一章　後藤家

後藤本家の系譜　後藤家十七代の人々〔祐乗・宗乗・乗真・光乗・徳乗・栄乗・顕乗・即乗・程乗・廉乗・通乗・寿乗・延乗・桂乗・真乗・方乗・典乗〕　後藤一乗とその一門　後藤支家の系譜　

第二章　鐔工

甲胄師鐔　応仁鐔　平安城式真鍮象嵌鐔　与四郎式真鍮象嵌鐔　鎌倉鐔　かなやま（金山）鐔　京透し鐔（平安城透し鐔）　尾張透し鐔　法安鐔　山吉鐔　柳生鐔　金家鐔　信家鐔　赤坂鐔　

第三章　江戸金工

平田派（七宝派）　横谷派　柳川派　石黒派　大森派　吉岡因幡介家　奈良派　浜野派　土屋派　伊藤派　岩本派　菊岡派　薗部派　津尋甫　遅塚久則　堀江派　村上派　染谷派　佐野派　稲川派　桂・江川派　河野派　田中派　高橋派　戸張派　東京美術学校系　

第四章　京都金工

埋忠派　正阿弥派　一宮派　岡本派　大月派　その他の京都金工

第五章　地方金工

庄内金工　仙台　会津正阿弥　秋田正阿弥　水戸金工諸派　越前国　加賀　美濃彫り　嘉多川派　間鐔　佐渡　貞命と定正　中国地方　長州鐔　　四国　肥前国　肥後鐔　薩摩国　

付録Ⅰ鐔・小道具の基礎知識

付録Ⅱ鐔・小道具の鑑定指南道場

解答編

あとがき

【あとがき】より

　鐔や目貫、小柄・笄のような刀装用具は、それぞれの作品に精巧な美しさや古拙な雅味などの個性がみられる。千差があり万別の変化を感じさせるものである。

　鐔や縁頭の類にも観る者・買う人を魅了する多くの面白さ・美しさがあり、いいしれぬ楽しさがあふれている。四百年を越す鐔・小道具の長い歴史の流れのなかで造られ、使われたもろもろのものを観賞し、鑑定すること、あるいは購買収集する醍醐味はまた格別なものである。

　若山と飯田は、ほぼ時を同じくして刀剣界の人となり、知り合ってすでに二十余年が経過した。このたび、両者が永年の研鑚を積みつづけた刀剣の鐔・小道具について、その鑑定入門、鑑定賞美のために便利で有効な一書をまとめることとなった。日本の美を探求するための伴侶として、本書が読者諸氏のお役にたつとすれば望外の幸である。

本書の執筆にあたり、刀剣春秋新聞社の小林格史、光芸出版の土子民夫両氏のご協力を得、また難波五風、吉野辰雄、益本千一郎、吉田輝三、福士繁雄、柴田和夫の各氏から資料協力をいただいた。記して感謝する次第である。

【鐔・小道具の鑑定とは　序文より一部紹介】

　最近における刀剣、外装の鐔・小道具愛好者の急激な増加は、まさに一驚に価するものがある。

　このことは刀だけに限らず、絵画・陶器などの場合も同じような傾向を示し、世人の喝采を集めているが、なかでも刀やそれに付属する鐔・小道具の類が、たんに武器としての好奇心に留まらず、美術品としても優れているために、美術工芸品として改めて昭和の時代に脚光を浴びている現況は、同好の一員としてまことに喜ばしいことである。

　考えてみるまでもなく、刀や鐔などは本来の目的が殺傷用の道具である。その一つ一つが、我が身を守り相手を殺傷するという第一義的な目的を失うことなく、「美しさ」を伴って製作されてきたということは素晴しいことである。ここに思いをこらすときに、われわれは、祖先の優れた美意識を改めて見直さざるを得ないのである。

　こういった日本人に伝承する気持が、おのずから歴史と美術を求めて、それが鐔や刀の鑑賞という形になって現われてきたものと思う。

　愛好家の増加ぶりはその数だけでなく、内容的にも次第に高級な鑑賞態度に向上しながら、刀剣類に対する一般人の知識を高めつつある。しかし残念なことに、鐔・小道具に関する適切な解説書と、購入に際して必要な刀装小道具鑑定の指導書はきわめて少ないのが実情である。

　このへんにも古美術愛好者が、鐔・小道具を買求め、楽しんで賞美することにかなりの逡巡を覚えざるを得ない理由がある。したがって巷間における美術入門書として考えた場合に、刀装小道具の鑑定や鑑賞のための書物を求める声は次第に高まりつつある。その強い要望に押しあげられた形で本書が誕生するわけで、読者の期待に応えるために初心者にも理解し易く、それでいて練達の趣味人にも座右の一本として役立つものという方針と主旨のもとに執筆した。

　錬や小道具の写真版を羅列しただけのカタログ的な本であってはならず、売買や鑑賞などの実際に役立つものとするために、オリジナルな観点に立って内容に創意を盛り、学問的な追求をしつつ新説を十分に加えたが、従来の諸先輩の定説はこれを尊重して記述したつもりである。

　さて鐔・小道具の鑑賞について若干の所見を述べることにしよう。

　一般的に鑑定という言葉は、斯界ではそのものの良し悪しと銘の真偽の鑑別を行なうという意味に使われている。それによって、鐔や小柄そのものの美的価値を相対的に決めようというのである。これは、言うは易いが、行なうはまことに至難な事柄で、このために多くの権威者・愛好者などの諸先輩が終ることのない試練を受け、努力を続けて今日に至っている。

　次には無銘物に対する「極め」である。これは在銘正真の基準になるものを基として、造形・構図・彫技・時代性など、あらゆる角度から精査することによって導き出されるものであって、積み重ねられた研究と資料、それに基づく勘が重要な要索になってくる。

　作名の極めということは、元来は無銘の作に対してその製作者ないし製作グループを極めるものであって、これにはいろいろ異なったケースが見られる。すなわち、①鐔には倒卵形鐔・甲胄師・鎌倉・応仁・京透し鐔・尾張透し鐔・山銅鐔・鏡師鐔などがあり（中略）無銘の作品に後世の者が高名な作家の名前を偽って記入するケースは多くみられる。したがって鐔や小道具の銘の真偽を明らかにすることが、鑑定上達の一つの近道になってくるし、大切な知識でもある。そのためには正真本物をじっくりと眺めて研究を重ねていくことと、有識者の経験談を教えてもらうことである。さらに押型や写真を集めたり、正真銘の写し書きをして鏨使いや「くせ」を覚え、同一作家の各種の銘文を比較検討することが肝要である。装剣小道具の鑑定・鑑賞のためには、押型や写真収集の効果ははかり知れないものがある。

　従来、刀の「入札鑑定」は古くから各種の研究会で広く行なわれ親しまれてきているが、鐔・小道具に関してはこの入札による鑑定はまったく試みられていない。入札鑑定というのは銘のある中心の部分を隠して刀身を見せ、誰が造ったものであるかということを当てさせる一種のゲーム的要素のある研究法で、鑑識力向上のためにはかなりの効果のある演出である。本書では、試みられる範囲において鐔・小道具の誌上入札の鑑定をとり上げてみた。これはほとんど前例をみない新しい企画であるが、あえて本書に収録した所以は、鑑定競技としての楽しみと同時に眼の向上にきわめて有効な方法だからであり、筆者の意のあるところをお汲みとりの上、勉学の資としていただければ望外の喜びである。

　刀剣にホンモノの歴史とニセモノの歴史とがあるように鐔・小道具の歴史にもこの両者が併存している。しかし従来の書物が説くところはいずれも正真のものの部面であって、偽物や贋作の方は有意義ではないとして取扱わない場合が多く、放置されている感がある。（中略）鐔・小道具においても時代の贋物や後世の偽作などその数は少なくないし、旧幕時代の文献にもこのことを書き留めたものがいくつも見られる。

　この世界では、従来その真偽については各人の単なるカンに頼ってことを決める傾向が強かった。″何故そうなるのか″ということを理論的に質問されると、なかなか。明確な返事ができにくいということがあった。しかしこれからの鐔・小道具の鑑定は、時代の極めや真偽の問題も含めて、単なるカンに頼るだけではならないということを痛切に感じるのである。その意味からも、本書では真偽をめぐる銘や花押やその見どころについての鑑定を、注意を払いながら試みている。

　鑑定上で重要なことの一つは、（中略）卒直にいえば一流品と三流品の区別であり、ホンモノと似て非なるものの選別である。これは先天的な素質による場合もあるが。それは高度の技量を要求される専門家の場合のことであり、われわれ愛好家やコレクターの場合は本書に記載の程度のことがらを理解し記憶すれば、趣味人として立派なものであるといえる。

鐔・小道具の愛好者は、定石を身につけて鑑定が出来れば、やがて自信がわが身について、おのずから水準の高い鑑賞態度を持つことができるであろう。そのためにはいうまでもなく人格・識見の優れた先輩に師事したり、内容の良い確実な書物を入念に精読することが大事で、これに加えて正真確実な作品を数多く秩序だって観察することである。文字に書いてしまえばこれだけのことであるが、これを完全にマスターして鐔・小道具の鑑賞の楽しみを満喫できるまではいくたの試練と苦楽があるはずで、読者諸氏の一層のご精進をお願いする次第である。

★状態★

1971年のとても古い本です。

外観は通常保管によるビニールカバー経年やけ、スレ、天小口経年並ヤケしみがある程度、

本文経年並ヤケありますが、目立った書込み・線引無し、

問題なくお読みいただけると思います。（見落としはご容赦ください）

＜絶版・入手困難本＞オークションにも滅多に出ない、貴重な一冊です。

古本・中古品にご理解のある方、この機会にぜひ宜しくお願いいたします。

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